③ランドクルーザー300系 ブレーキカスタマイズ(キャリパー整形塗装、ロータードリスリ加工、ガンコート仕上げ)
2023/12/27
皆さん、こんにちは、店長の林です。
澄み渡る乾いた空気の中、大阪よりランドクルーザー300にお乗りの○○様がご来店くださいました。
最近、私も含めて、SUVをアーバンクルーザー風に仕上げて、スマートに乗りこなすお客様が増えたように思います。
そんなブームの中、やっぱり見れば見るほど、ブレーキが気になる・・
さて、24インチの巨大ホイールに合わせて、キャリパーのカラーやローターの加工内容も決定し、車両をお預かり
いたしました。
ランドクルーザーやプラド、FJクルーザー、ハイラックス等には、このような頑丈な鉄製のキャリパーが、
装着されていますが、鋳型がボコボコでカッコいいとは、お世辞にも言えない代物です・・。
Rキャリパーは、電動モーター式のパーキングブレーキ付きキャリパーになっております。
こちらも機能的には、文句の付けようがない良い代物ですが、見た目が・・・。
早速ですが、時間が無いので、いきなりローター加工の説明から。
ハット部、外周の元色(ブラック)をサンドブラストで、完全にぶっ飛ばしてから、ラッカーシンナーで
完全に脱脂します。
エアブロー後に100度程度に温度を上げた乾燥庫で、更に完全揮発を目指します。
冷却後に外周を裏側から→表側からと、防錆力の高いエポキシ塗料で、ペイントしお次にハット部分をペイント。
熱で固まる塗料ですので、80℃→130℃→180℃と段階的に温度を上げていきたっぷり時間をかけて焼き付けます。
冷却後に外周部は、艶を落としたガンコート、ハット部は艶ありのガンコートと塗り分けます。
ホイールの当たる面は、密着を上げるために足付け(無数の小傷をつける)し、ガンコートの密着を更に上げるように
努力しております。
先ほどのように、段階的に温度を上げていき、薄く強靭な塗膜になるよう努力しております。
ガンコートによるペイント作業、余分な塗膜の除去、磨きが完了し、スリット加工に入ってます。
表裏共に、長いスリットを6本ずつ入れていきます。
機械加工は、ワンミスで今までの工程やローター自体も一瞬でパーになりますので、皆さんが、思っているより緊張する作業です。
長いスリットを左右で裏表4面終わったら、お次は、長いスリットのど真ん中に短いスリットを加工して
行きます。
その後、スリットの間にディンプル(貫通していない)加工を施していきます。
施工中のランドクルーザーとは、関係のないお話を一つ・・
貫通のドリルドタイプは、ローターのベーンの形状によっては、ベーンを打ち抜くことが所々出来ることにより
重量バランスが崩れ、高速走行でピッチング(縦揺れ)が、出ますので、直径の大きなローター程、顕著に現れますので
おすすめいたしかねます。
ブレーキは、飾りじゃないですから、お客様の要望にすべてお答えできない時もございますので。この場をお借りしてどうかご了承くださいませ。
お次は、キャリパー作業ですが、秘密の部分が多くて、作業工程は割愛させていただきます。
Fキャリパーのブレーキパッド当たり面は、丁寧にマスキングしてメッキを残してます。
これで、パッドの動きも絶対にいい筈。装着される整備工場、ディーラー、メカニックも絶対に安心なハズ!
リアキャリパーのマウンティングアームもばっちりでしょう。
たったこれだけのことですが、サンドブラスト時のマスキングも含めると、沢山の熟練者と時間がかかってます。
Rキャリパー裏側から
電動モーター接触面、マウンティングアーム固定ボルト接触面等々、塗料が付着するとシール性能が低下し
水が浸入して、大変なことにありますよね。又、ボルトの接触面の塗料がはがれてボルトが緩んだりと、とんでもない
事故を引き起しかねない状況になります。
安心、安全は、丁寧な仕事からだと思いますが・・
高々、ボルト締めつけるだけですが、キャリパーに傷一つ付けないように養生してますよ。
いよいよお待たせいたしました。
ビフォーアフターシリーズですよ!
【キャリパー+ロータービフォーアフター】・・画像をクリックして大きな画像でご覧くださいませ。
【ちょい自慢】
Fキャリパーは、合わせものに付き段差が気になります。
K-クラは、こうせずには、いられない集団です。
【SHOP前にて】
サンセットオレンジカラーが、見る角度によってイエローっぽく輝くのが、高級感を高めます。
やっぱりランクルは、こうでしょ。
余裕ある大人のアーバンクルーザーをK-クラは、応援いたします。
それでは、引き続きご覧くださいませ。
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